5-アミノレブリン酸がミ卜コンドリアへ与える影i 生活習慣病治療への可能性

摘要

ミトコンドリアの機能は，老化に伴い低下する と言われており，事実，若年者よりも高齢者のほう力?，骨格筋におけるATP生産速度，TCA回路へ の基質の流量測定において劣っていることが明ら かとなつた。また，ミトコンドリアが生み出す 活性酸素が，生活習慣病や老化現象と密接に関わ つていると考えられて来たが，最近東大らのグル ープが早老症モデルマウスを用いて老化機構には 活性酸素種レベルの増加、酸化ストレスの増加は 関与せず，ミトコンドリァDNAの変異の蓄積が老 化を進行させることを報告した。これらの検証 は，高齢に伴い摂取するとミトコンドリアの機能 を維持あるいは高めるといわれてきた化合物には 朗報であり，フリーラジカル障害による老化説を 否定するものである。