雑音負荷時の語音明瞭度の低下予測について

摘要

難聴者は、57-S語表を用いた語音聴力検査で雑音非負荷時に比べ雑音負荷時に語音明暸 度が低下する。しかし雑音負荷時の語音明瞭度の低下には個人差があり、低下の程度は様々 である。補聴器の効果を評価する際に雑音負荷時の語音聴力を評価することがある。しかし 雑音負荷による語音明瞭度の低下が本人の聴覚機能による影響か、補聴器による影響かを判 断することは難しい。この点を正確に評価するには補聴器非装用?装用時両者で雑音負荷の 影響を比較する方法が考えられるが"、全ての例で行うにはかなり煩雑で被検者の負担も大 きい。雑音負荷時の語音明瞭度を測定する前に、どの程度の語音明瞭度の低下が起こるかあ る程度予測することが出来れば検査をより簡素化することが可能と思われる。そこで今回 は、語音明瞭度の低下と属性や聴力などとの関係を調べ、それらの項目から語音明瞭度の低下の大きさを予測可能かどうか検討した。