差別均衡から平等均衡を目指す：これからの理工系学会のあるべき姿とは

摘要

国内の大学，特に理工系分野におけるジェンダーギャップ問題に注目が集まっている。これは女性研究者に限らず，理工系の大学生·大学院生についても同様で，女性比率がなかなか増えない。しかし果たして女性は理数系が苦手かというとそのようなことはなく，例えば生命科学系（医歯薬系）では，男子学生を超える女子学生が集まる学部が少なくない。第5期科学技術計画では，多様な視点や優れた発想を取り入れ，科学技術イノベーション活動を活性化していくためには，女性の能力を最大限に発揮できる環境を整備し，活躍を促進していくことが不可欠であると明記されている。経済発展と社会的課題の解決の両立を日指すSociety 5.0においても，多様性が未来の価植創造の鍵であるとされている。