セラミドキナーゼの機能と阻害剤の発見

摘要

花粉症やアトピー性皮膚炎に代表されるⅠ型アレルギーの発症には、マスト細胞の活性化が大きく関与し、その活性化機構を解明することは、これらアレルギー疾患の治療や予防の戦略を考える上で重要である。従来までにIgEの架橋によって活性化されたマスト細胞は、細胞内Ca~(2+)濃度の上昇を経て脱顆粒を引き起こし、ヒスタミンや様々な炎症性サイトカインを放出しアレルギーを増悪させることが知られている。 マスト細胞の活性化機構に関しての研究は、高親和性IgE受容体（FcεRI）やその下流に存在するチロシンキナーゼ群といったCa~(2+)放出以前のイベントに関する研究が多い。