電気泳動堆積法を利用した樹脂-セラミックス複合体のナノ構造制御と高機能化

摘要

樹脂-セラミックス複合材料の成膜方法として，電気泳動堆積法の利用が検討されている。電気泳動堆積の諸条件を変えることで堆積膜構造を制御することが可能となる。本報告では，電気泳動堆積法を利用して作製される機能性材料として，放熱絶縁材料，高反射材料，及び，超撥水表面形成について紹介する。本予稿では，特に超撥水表面形成への取り組みについて詳細を記す。超撥水表面は，エレクトロニクス用部材の防水，腐食防止等の水滴除去やマイクロ流路デバイス等液滴挙動の制御を目的として，利用される。電気泳動堆積を利用することで，マイクロあるいはナノメートルオーダの階層状凹凸構造が形成され，超撥水表面となることを確認した。