懐疑とともに生きる勇気——他者とともに自己を受け入れること

摘要

教育や看護の営みは、目の前の他者を相手に行われている。教師は、自分とは異なる子どもや学習者の内容理解の程度や感情の起伏を読み取り、適切な指導や支援を行っている。看護師もまた同様に、自分とは異なる患者の立場に立って、相手の願いやニーズを汲み取り、適切な手当てや声かけを行っている。あくまでも、目の前の子どもや学習者、患者は丨人ひとり異なった個別の他者である。教育方法や技術、看護の原則などはあっても、個々の状況や場面に応じて臨機応変な応答をしなければならない。応答を間違えると、相手との関係を取り結ぶのが難しくなることもしばしばである。