猫のニキビダ二症

摘要

猫のニキビダ二はDemodex catんD. gato/および 命名されていないニキビダ二の3種報告されている。猫 のニキビダ二症は，犬に比べて遭遇する機会が少ない。D. caむ'は犬のひcam'sに相当するニキビダ二である ことから，毛包内寄生のニキビダ二である。局所性二 キビダニ症では，眼囲，頭部，または頸部などに鱗屑， 脱毛，紅斑などを生じる。また，外耳炎の症例では耳 垢にひca tiが観察されることもあり，特にFIV陽性猫 で経験することがある。汎発性ニキビダ二症の場合， 顔面や頭部に好発し，時に頸部，体幹，四肢に生じる（図 1~3)。臨床徴候は鱗屑，脱毛，紅斑，色素沈着であり， 痒みを認めることもある。好発猫としてシャムやバー ミーズが報告されている。汎発性ニキビダ二症の背景 として，ウィルス感染（FeLVおよびFIV),代謝性疾 患（糖尿病).内分泌疾患（甲状腺機能亢進症)，自己免 疫性疾患（エリテマトーデス），腫瘍（扁平上皮癌）など の検討が必要であるが，すべての症例で背景疾患がみ られるわけではない。