生活習慣と前立腺がん

摘要

前立腺がんは世界で毎年約100万人の新患が生じており,日本においては最も増加率が高いがんである.しかし,前立腺がんは進行が遅いものも多いため，すべての患者に治療が必要ではない.限局がんの場合には，積極的な治療介入を行わないアクティブサーベイランスが可能である.同じ日本人でも，アメリカ移住者では前立腺がんの罹患率がより高いことから，生活習慣と前立腺がんには密接な関係が示唆されている.本稿では，前立腺がんにかかわる食事,運動,生活習慣の関係とそれらの改善による予防効果について,われわれの研究を含めてご紹介したい.