ロシア個人消費が成長牽引するも製造業が課題

摘要

ロシア経済は、2006年においても6.7％の経済成長率を記録し、これで2003年以降4年連続して6％以上の経済成長となった。 この好調さをもたらしている要因には基本的に変化が見られない。 すなわち、原油高を背景とする国内消費需要と投資需要の増大が経済成長をもたらしているという構図である。家計最終消費支出は、2004年以降毎年10％を超える増加を示しており、同年以降の成長寄与度は5～6％台となっている。 ロシア経済は家計最終消費支出の増加だけで5～6％の成長を遂げているのであり、個人消費が現在の好況の牽引力となっていることは明らかである。総固定資本形成も高い増加率を示しており、とりわけ2006年は13.7％ときわめて高い伸びを記録した。 しかし、家計最終消費支出がGDPの50％程度を占めるのに対し、総固定資本形成は18％程度とシェアが小さいため、総固定資本形成の成長寄与度は1.5～2.4％程度に留まっている。 投資主導の経済成長と言うことはできない。 一方、純輸出（輸出マイナス輸入）の寄与度は2004年以降マイナスであり、近年のロシアの経済成長は完全に内需主導であると言える。