光ファイバセンサを利用した構造モニタリングと防災システム：分布型光ファイバセンサとその応用

摘要

光ファイバセンサは、光通信デバイスの進歩と相俟って、現在では様々な物理量を高精度に測定することが可能となっている。 さらに、電磁気的なノイズに強く、防爆性がある、細く軽量であり、耐久性·耐食性に優れているなどの特徴を持つ。また、一本の光ファイバに多数の測定点を配置したり、任意の点で測定を可能にする準分布または分布センシング技術によって、広範囲の情報を一挙に取得することができる。これらの特徴は、機器や構造の故障·損傷検知システム、またはトンネルや地下街、大型建造物の防災システムに適用する上で有効である。耐電磁ノイズ、防爆性、耐久性は使用環境に対する配慮を軽減し、準分布·分布センシングは広範囲のモニタリングを効率化する。また高精度、細径·軽量の特徴を活かして小型機械への応用も考えられる。ここでは、光ファイバセンサを構成する光ファイバの基本的な特性、光ファイバセンサの分類と代表的なセンサの原理、およびその応用例として光ファイバセンサを利用した構造モニタリングと防災システムについて紹介する。