コプロダクションによるCO{sub}2フリーなエネルギー·物質生産システムの構築

摘要

地球温暖化を食い止めるためには，CO{sub}2排出量を抑制することが不可欠であるのは明白である．現在，380PPMである大気中のCO{sub}2濃度が550PPMを超えないようにすることが，地球環境の保全には必要とされている．CO{sub}2を，この濃度以下に抑さえ込むには，幾つかのシミュレーションの結果，大量のCO{sub}2の分離·回収·固定を行うとともに，CO{sub}2排出量を2050年ぐらいまでには，現在の半分以下のレベルまで低減させなければならないとされている．そこで，エネルギーと物質の生産システムを根底から見直し，エネルギーと物質を併産（コプロダクション）するシステムを創生し，産業構造そのものを省エネルギーでかつ多様な価値を生む体系に転換することによって大幅な省エネルギーとエネルギー利用の高効率化を達成させることが可能と考え，戦略的基礎研究「コプロダクションによるCO{sub}2フリーなエネルギー·物質生産システムの構築」プロジェクトを推進してきた．本論文では，その基本的思想と成果の一部を紹介する．