重力加速度制約を加味した動き相関を用いたカメラ-モバイルデバイス間の時空間キャリブレーション

摘要

多様なセンサ·アクチュエータによって入出力される信号を統合し，観測対象の多角的理解やインタラクティブシステムの構築を実現するためには，デバイス間の対応付けや時刻同期といったキャリブレーションが必要不可欠になる．本稿では，モバイルデバイスとカメラ間のキャリブレーションを対象とし，カメラ映像中に映る人物IDとその人物が所持しているモバイルデバイスIDの対応付けおよび，デバイス間の時刻同期を動き情報の相関を利用して同時に推定する手法を提案する．動き相関を用いてカメラとモバイルデバイスのキャリブレーションを行う際，モバイルデバイスの加速度信号に混在する重力加速度成分の補償が課題になる．本研究では，カメラ映像中の人物の動き情報とモバイルデバイスの加速度信号のみから重力加速度方向を推定することで補償を行う．また，推定した重力加速度方向成分を動き相関と併せてキャリブレーションの制約の1つとして用いる手法を開発し，シミュレーションデータおよび実データを用いて本手法の有効性を評価した．