スポット情報を用いた無線LANポジショニングシステムの性能向上に関する検討

摘要

本稿では，スポット情報を用いた無線LANポジショニグシステムに関する検討が行われている．本稿で提案されているシステムは，無線LANを用いたポジショニグシステムにスポット情報による位置特定システムを加えた．システムである．スポット情報とはユーザの目の前にある店舗名や部屋名などのことであり，ユーザは測位を行うときにこれらのスポット情報を入力し，無線LANアクセスポイントからの受信情報と併せて測位サーバへ送信する．測位サーバはユーザから送られてきた情報をもとに位置推定を行い，結果をユーザへ返している．提案システムの性能評価は，関東学院大学金沢八景キャンパスの主要な5つの建物にて，各棟の各階を幾つかのエリアに分け，現在どの建物の何階，どのエリアに居るのかを判定することにより行われている．評価に際し，スポット情報を利用しない無線LANのみを用いた測位システムを従来システムとし，スポット情報を併用したシステムとの比較が行われている．結果として，提案システムでは建物の推定率が98.9%，フロアの推定率が94.3%，エリアの推定率が88.5%となり，従来システムよりそれぞれ2.1%，20.6%，58.2%高くなっており，スポット情報を用いることで測位性能を向上させることが出来ることが示されている．