PaaSクラウド環境で稼働するWEBアプリケーションの性能劣化要因切り分け手法

摘要

クラウドサービスは、WEBアプリケーションを用いた数多くのシステムを短期間で構築することを可能にしてきた。一方で、クラウド環境で稼働するWEBアプリケーションは、急激なアクセス増加やクラウド環境内での資源競合など様々な要因によってその性能が劣化する場合がある。このような性能劣化の要因推定に関する従来手法は、対象システムから網羅的に情報が得られることを前提としてきた。そのため、近年のマイクロサービスと呼ばれるような、管理者の異なる複数のアプリケーションを組み合わせて構成するシステムにおいては、取得可能な情報が限定されるために従来手法を適応することが難しい。本研究では、クラウド環境で稼働するWEBアプリケーションへのアクセスログ情報のみを用いて、WEBアプリケーションの負荷状況を推定し、統計的仮説検定を用いて、性能劣化要因の切り分けを実現する。