空気浄化ダクトによる大気汚染物質低減技術：通気抵抗の小さいNO{sub}x低減技術の開発

摘要

都市部ではNO{sub}xなどによる大気汚染が改善されておらず、環境基準値を上回る例が多くみられる。 NO{sub}2の環境基準は1時間値の1日平均値が0.04ppmから0.06ppmまでのゾーン内またはそれ以下であることと定められており、「自動車から排出される窒素酸化物及び粒子状物質の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法」（自動車NO{sub}x·PM法）に規定する対策地域では、自動車排出ガス測定局の環境基準の達成状況は、平成14年度において69.3％であり十分とはいえない。 また、環境省の窒素酸化物等健康影響継続観察調査報告によると、年平均値0.02ppmから0.03ppm程度のNO{sub}2濃度を境にして喘息様症状の有症率と大気汚染との間に対応関係があることが推察されるとしている。 室内の空気を清浄化するために行われる換気としては外気の取り込みが不可欠であり、このような地域に位置する建物においては、NO{sub}x汚染空気を清浄化して室内に給気する必要がある。また地下駐車場などから排気されるNO{sub}x汚染空気を清浄化することも重要な課題である。 図1に平成5年度から平成14年度にかけての一般環境大気測定局（一般局）と自動車排出ガス測定局（自排局）のNO及びNO{sub}2の年平均値の経年変化を示す。 NO{sub}x発生源では大部分がNOとして排出され、大気中で酸化されてNO{sub}2となる。 従って、自排局ではNO濃度のほうが高い値を示す。 一般的には環境基準や健康影響などの観点からNO{sub}2への対策が優先されるが、特に自排局ではNO{sub}2とともにNO除去の対策を講じる必要がある。