液晶製造工程における静電気対策とその管理手法

摘要

液晶製造工程は、常に静電気との戦いであるといっても過言では無い。 基幹部材であるガラスは絶縁物である事から、基板処理は、常に静電気との戦いとなってきた。近年、市場の要求から、薄膜トランジスタ駆動方式LCD、いわゆるTFT-LCD が主流となっており、静電気対策は、半導体以上に厳しいものとなっている。 TFT，LCDは電気的に絶縁性が良好なガラス基板上に電子回路が形成された複合·多層構造となっている。 一方で、TFT-LCDの製造工程では摩擦、剥離、加熱、冷却などの物理的·機械的な力を基板に与える工程が多く、静電気の発生を避けることが困難である。 この結果、静電気により発生する異物吸着起因のパターン不良や基板からの放電により発生するTFT素子の損傷等が、歩留まり低下の要因として顕在化している。