誘電体筐体肉抜きによる光電界プローブの放射特性の検討

摘要

無線端末などの電磁界特性評価において，光電界プローブによる電磁界測定法は原理的に被測定電磁界に影響を与えにくい特徴を有するため注目される技術である．本論文では誘電体筐体で覆われた光電界プローブの特性評価のために，誘電体筐体が光電界プローブの放射特性に与える影響について解析を行った．誘電体筐体の影響を定量的に査定するため，放射指向性のH面リップルの大きさを評価基準として用いた．FDTD法によるシミュレーションを用いて，筐体の基本形状を三種類の誘電体材料を対象として基礎的検討を行い材料の選定を行った．その結果，製作上の条件を考慮した上でアクリルを選定した．次に筐体の各部位が放射特性に与える影響について検討を行い，筐体形状を変化させることで電気的影響を低減する可能性について言及している．そして実際の製作を考慮した上で，筐体への肉抜きによる筐体の軽量化と電気的影響の低減についても検討を進め，本形式の光電界プローブ筐体設計に対する基本的指針を与えている．最後に試作した光電界プローブの測定値を示し，その妥当性について確認している．