道路が壊れる時－安全に走れるのが“当然”ではない·維持管理の重要性

摘要

世界でも有数の自動車先進国である米国では、日本よりはるかに早くから道路整備が進められてきた。米国で最初に大陸を横断した自動車用幹線道路はニューヨークとサンフランシスコを結ぶ“リンカーン·ハイウェイ”で、総距離5,422kmに及び、開通年は何と1913年である。また、続く1930 年代には公共事業による景気回復を狙ったニューディール政策の実施により、道路建設が推進された。この頃には旅客輸送の9割を自動車が担うほどに普及が進み、それに伴って高架道路や橋梁、トンネルといった多くの構造物がこの時期に建設されている。さらに第二次世界大戦による軍需歳出の増加もあって、米国経済は大きく拡大した。1970年代までには主要な州間高速道路が開通し、ほぼ現在と同様の幹線道路網が整備されたと言えよう。