樹脂材料のスラストパッド開発におけるすべり軸受用PEEK樹脂の特徴

摘要

既に回転機械用に用いられている、すべり軸受の樹脂材料には、PTFE（ポリテトラフルオロエチレン）があり、実機適用において装置の小型化、長寿命化だけでなく、オイルリフタの廃止が可能に考ったとの報告がある。PTFEは摩擦係数が小さく、適正油膜が形成されていない起動時に特に有効な材料であるといえ、周速の低い仕様条件下では潤滑油を使用しない無潤滑軸受としても多く用いられている。また、水潤滑樹脂軸受としてPPS（ポリフェニレンサルファイド）を水車での実機で適用したとの報告もある。その他、PEEK（ポリエーテルエーテルケトン）樹脂のクリープ、焼付き、摩耗を調査した報告もある。本稿では、樹脂材料開発の経緯とPERK樹脂に関する、回転機械用のすべり軸受としてのトライボロジー特性、実験的にて求めた結果を紹介する。