R．ルーター色刺激メトリックの話題から

摘要

本論文は講演録に基づいているらしく、論調もインフォーマルなところがあるが、いわゆるルーター条件やルーター·ニベルク色立体の原典として、その都度引用される文献である。内容的に二部構成であるが、主体は第1部にあり、本稿はその訳である。第2部は技術論で、ここは訳者の及ぶところでないので割愛せざるを得ない。フィルターの分光透過に関するルーター条件は第2部に見られる。本論文の出た1927年はCIE（1931）XYZ系の登場前夜で、XYZ系に馴染hだ今日から見れば戸惑いもあるが、かえってそこに色彩学の生な側面が見られる。訳文の至らぬところは図解などを通し、読者の慧眼をもって補っていただきたい。