前駆体を利用する触媒調製自己再生能を有する改質触媒の開発

摘要

固体高分子形燃料電池（PEFC）用の水素の製造には，都市ガス，LPGあるいは灯油などの燃料が用いられるが，現在1kW規模の家庭用燃料電池は主として都市ガス，すなわちメタンの水蒸気改質（Steam Reforming of Methane：SRM）により行われる。 これにはSRM，CO変成およびCO除去の3段階が必要であり，SRM触媒としては現在，Ru触媒が用いられるが，より安価な触媒の開発が待望されている。 家庭用PEFCにおいては，Daily Start-up and Shut-down（DSS）操作が必須で，運転停止時には反応器内をスチームなどでパージする必要がある。 改質触媒としては，従来Ni系触媒がよく知られているが，このような過酷な条件下ではNi触媒は酸化劣化を受けやすく，耐久性の向上が必須の課題である。