エコロジー塗料の定義とはすベての生態系に負荷を与えないこと

摘要

シックハウス症候群、化学物質過敏症などの健康被害が多発し、大きな社会問題となっている中、近年、住環境を改善する建材の開発が活発化しており、塗料、塗装分野においても、環境対応型塗料や自然系塗料などが市場に出回るようになった。しかし、日本における自然系塗料は未知の部分も多く認識が薄いこともあり、各種のトラブルが発生しているのが現状だ。 こうした中、木材塗装研究会（川村二部会長/事務局＝東京都渋谷区/03-3443-2811）のエコロジー塗料研究分科会では、学識者、塗料メーカー、木工製品メーカーなどが集まり、エコロジー塗料に関する調査研究を行っている。分科会は、①日本の主要な自然系塗料について各種の物性試験や検査を行い、またカタログや資料から塗料成分を検討する、②物性試験および検査結果より臭いの強弱、作業性、仕上がり、各種耐久性などを判定する、③上記の試験結果を総合的に判断し、使用場所および部位、使用方法、塗装工程、ライン塗装の可能性などを各塗料について指示する、④自然系塗料の各種データを提供し、知識を高め、建築業界、家具業界の混乱、疑問を解消して業界に寄与する--ことなどを主な目的として活動しており、昨年末に行われた「第11回木材塗装ゼミナール」（同研究会主催）では「エコロジー塗料の現状と将来」をテーマに研究成果を発表した。 以下に、当日の資料の中から一部内容を紹介する。