光学活性コバルト錯体を触媒とする不斉シクロプロパン化反応と反応機構角牢析に基づく触媒設計

摘要

不斉シクロプロパン化反応は，菊酸（式1）などのピレスロイド系殺虫剤やcilastatinなどの医薬品の工業的合成に利用される重要な反応であるとともに，野依らがキラルなSchiff塩基銅錯体を触媒とするシクロプロパン化反応において1966年に初めての不斉誘導を報告し，均一系錯体触媒による不斉合成反応研究の先駆となった歴史的反応でもある（式2）。