高齢者が就業する意義

摘要

日本の高齢化率は2007年に21.5%と超高齢化社会に入った後も上昇し続け，2017年 12月現在27.8%となり，20年後の2037年に は33.8%になると推計されている。超高齢化 は，都市部の高齢者の急増，単独世帯や夫婦 のみ世带の壻加を伴いながら進行し，要介護 状態や認知症などの健康問題をかかえる高齢 者の増加，年金，医療费や介護費などの社会 保障費の増大，労働力不足，地方の人口減少 とソーシャルキャビタルの縮小など，いくつ かの深刻な課題を牛み出している。これらの 課題の解決策の一つとして高齢者の就業の拡 大が注Rされている。実際，65歳以上の就 業者数は2017年11月現在805万人(就業者の 12.3%)と年々増加しており，就業率も男性 31.3%,女性16.4%となっている。