産業用ロボットの安全性を確保する

摘要

2014年の日本製産業用ロボットの出荷台数は10万台を超え，過去最高を記録した。ただし，直接輸出比率が75％を超え，完全に輸出依存型の産業に変貌している（図1）。この背景には，日本国内製造業の国際競争力低下と新興工業国の製造業急拡大がある。一方，最近の円安傾向を反映し，製造現場の国内回帰の動きも少なからず顕在化している。国際競争力のある国内製造のためには，これまで以上に高度な自動化の実現が望まれており，期待されるロボットのアプリケーションも複雑化している。