知財技術者が支える知的財産戦略-経營指標の策定と再雇用の可能性を拓く

摘要

日本は戦後，先進国の基本技術を改良した「ものづくり大国」として大きな経済発展を遂げ，日本の経済力は世界トソプレベルに至った。 しかし独自に開発した技術や製品を法的に保護有効活用することを重要視していなかったため，技術や製造のノウハウが労働力の安い諸外国へ流出するなどして産業の国際競争力が低迷してしまった。 そこで，かつて「知的財産」の保護·強化政策を打ち出して経済復興を遂げたアメリカに倣い，1990年代初めに「ものづくり＋知的財産」という新戦略を打ち立てた。そして2002年7月，政府は「知的財産戦略大綱」を制定し，次いで「知的財産基本法」の制定を経て，本年7月8日に，この実行計画である「知的財産推進計画」を決定した。 これは特許や背著作権などの知的財産の保護·活用を強化し，経済·社会·文化活性化の起爆剤とすることをめぎしたもので，この「知的財産推進計画」には2005年までに取り組むべき項目として270項目があげられ，担当と期限が明記された。 今後，知的財産の創造推進→保護強化→活用促進という「知的創造サイクル」の活性化と専門的な知識を持った人的基盤の充実に向けて具体的な施策が展開されることになる。 このような状況の下，知的財産の専門家の重要性はますます高まってくると見られる。