樹脂の接合：第1回－ホットジェット溶接

摘要

プラスチックは日用雑貨品から工業用部材まで幅広く使われており，中でもその優れた耐食性を活用した工業機器·装置や配管部材として欠くことのできない材料である。 これらの用途ではプラスチックの板やパイプ，成形部品等が単独で使われることは少なく，大部分が接合を含む構造体になっている。 プラスチック材料の接合方法には機械的接合や溶剤による接着，さらには熱による溶着·溶接などがあり用途，目的に応じて使い分けられている。図1にプラスチック接合の分類を示す。 それぞれの接合方法は使用する接合目的（でき上がり製品構造）や使用する樹脂の材質，材料の厚さなどにより選択される。 プラスチック材料による組立工法や相溶性のない異種材料間では機械的接合が主となり，特殊な場合は溶剤接着やホットメルト接合が使われる。 接着工法はきわめて簡易な接合方法で看板，ディスプレー等の用途に従来から多用されている。しかし，接着の接合強度は余り強くないので，外部から加重が加わったり，熱応力や疲労が発生するような動的用途には不向きである。これらの接合方法のうち熱による接合は接合強度やシ⊥ル性などの信頼性の点で優れているので，プラスチック材料の種類，構造体形状などにより各種熱接合が幅広く採用されている。