統計にみる日本の溶接産業－最近10年間の動きを中心に：後編

摘要

それによると，阪神大震災によって広がった鋼材の供給不安感と復旧·復興工事への市場の期待感から増加傾向にあった1995年当時をピークにして，大幅減少を余儀なくされた1998年，1999年であったが，2000年になってようやく回復基調を見せ始めた。しかしながら，これもつかの間のことで，2001年には前年比5.0％減の5,329万tと再び減少に転じることになった。続く2002年は同0.1％増の5,336万t，2003年は同0.1％増の5,343万t，2004年は同3.3％増の5,523万tと完全な回復傾向とは言えないまでもほぼ横ばいではあるが順調に推移してきたかのように見える。2005年は同0.9％減の5,474万tと若干減少したものの，2006年は同1.2％増の5,540万tと増加に戻した。ここまでは一本調子で若干の増減がみらえる程度であったが，続く2007年には同3.4％増の5,726万tとさらに伸張した。逆に2008年は同6.2％減の5,370tと落ち込む結果となり，振り幅が大きくなった。ところが，2009年をさらに減少傾向に拍車がかかり，同29.7％減の3,777万tと大きく落ち込みを見せ，これはこの10年でもっとも低い水準となっている。2010年においては，同16.2％増の4,3869万tと上向きのなったものの，まだまだこの10年ではワースト2の受注量となっている。