逆オパール構造TiO_2電極に吸着したCdSe量子ドットの光吸収と光電変換特性

摘要

また近年，増感剤に対する新たな試みとして色素に代わる半導体量子ドットの応用が注目され始めている．量子ドットの特徴として，①光吸収係数が大きい，②双極子モーメントが大きく，これによる電荷分離の促進，③粒径を制御することで光吸収領域の調節が可能，④多重励起子生成による量子効率の増大が期待される[3]などの発現により従来の太陽電池を上回るエネルギー変換効率の達成が期待されている．そこで本研究では，新規な光電極として，CdSe量子ドットを増感剤としたTiO_2逆オパール電極の作製を行い，その光吸収特性と光電変換特性（電流―電圧特性）の評価を行った．光吸収特性評価には，光熱変換現象を利用し本研究のような光散乱の強い試料に対しても直接的な光吸収情報を得ることが可能な光音響（PA）分光法を適用した．