4.8kHz交流搬送波を用いた力計指示装置の代替可能性に関する実験的検証

摘要

力の国家標準にトレーサブルな力計を用いた，JIS B 7721に基づく引張·圧縮試験機の力計測系の校正は，多くの材料試験機に対し行われている他，ばね試験機·硬さ試験機の校正に対しても参考とされている。これらの校正に用いられる力計は，JIS B 7728に基づき，力の国家標準としての力標準機又は国家標準にトレーサブルな力基準機によって校正されていなければならないが，JIS B 7728では，力計の校正の不確かさに影響を及ぼさない場合を除き，力計を力基準機によって校正した時と力計により引張·圧縮試験機の力計測系を校正する時とで，力計の構成要素を変更することを許容していない。すなわち，広く用いられているひずみゲージ式力計は，弾性体とそれに貼付されたひずみゲージブリッジを備えた力変換器と，ひずみゲージブリッジに入力電圧を印加する電源およびブリッジの出力電圧を計測する計測器等から成る指示装置との組み合わせになっている。しかし，この組み合わせを，力基準機による力計の校正時と，その力計を用いた試験機の校正時とで，原則として変更することができない。