セラミックスコーティングとレーザ熱処理を複合化した新表面改質技術とその応用

摘要

機械的·熱的性質に優れたセラミックス薄膜を金型や切削工具，機械要素部品などにコーティングし，耐摩耗性や耐熱性を向上させる表面処理技術が広く利用されている。低強度ではあるが安価で機械加工が容易な鋼等を基材部に利用し，破壊や摩耗等の損傷の起点となることが多い表面をセラミックスコーティングにより強化する本技術は，極めて合理的であり，表面改質技術の代表的な手法の一つに挙げられる。しかし，薄膜と基材の間には明確な界面が存在し，一旦薄膜がはがれてしまえば，低強度の基材が露出するため，密着強度を如何に高めるかが，セラミックスコーティング材の性能や信頼性を高める上での重要なポイントとなる。