原油続騰と円安で今期のC重油は全S分で一律5,500円の値上げに

摘要

新日本石油系列の特約店や大口需要家に10月19日（水），C重油の10～12月分仕切基準価格，つまり当面の要求価格が伝えられた。支払サイト60日向け，京浜湾内平水船持ち届けベースで表示された仕切価格はS分3.0％が45,600円／kl，0.3％HPPが50,410円／kl。 前期決定価格からの値上げ幅はともに5,500円のため，全S分で一律5,500円というわかりやすい上げ幅になった。今期のHS3.0％の水準は昭和60年10～12月分（45,950円）以来，LSO.3％HPPは同年7～9月分（54,100円）以来という20年ぶりの高値。 なお，30日サイト向けは全S分で60日サイト向けより50円安いが，0.3％の50,360円／klは60年7～9月分（53,850円）以来の高値である。 今期のC重油価格は8～10月中のコストで算出する。 原油相場がコストを一段と持ち上げたほか，円安基調で展開している為替相場と上昇著しいドル金利もコストを押し上げている。 しかし，大型ハリケーンの襲来を目前に歴史的な高値を付け，一時はC重油の大幅な値上がりを招きそうになった原油相場が，その直後に反落，軟化基調に転じたことから，値上がり幅は幸いなことに5,000円台に収まった。仕切通告後のコスト状況についても，為替相場は想定以上にコストアップ状態で進hでいるものの，原油は想定を下回る水準へ軟化していることから，コスト確定後の価格は仕切基準を下回る可能性がある。また，10月末の原油相場が8～10月中の安値へ落ちる可能性が出ていることから，原油コストが今期のコストを大幅に下回る水準でスタートする翌1～3月分C重油価格には久しぶりに値上げから開放される期待が出てきた。