相次ぐ都市ガス関連事故にガス安全小委が当面の対応策決定

摘要

世間を震撼させた昨年7月のパロマ工業製湯沸かし器事故判明後，今年に入って更に北海道北見市での導管折損にょるガス中毒事故，リンナイ製開放式小型湯沸かし器による一酸化炭素中毒事故と都市ガス関連の大きな事故が相次いだことから，資源エネルギー庁は2月28日にガス安全小委貞会（総合資源エネルギー調査会都市熱エネルギー部会の下部組織）を開き，今後の対応策を決めた。 本誌でもこれまで再三取り上げ指摘してきたように，一連の都市ガス関連事故は実に陰惨で業界は何ら言い訳のできないもの。 とりわけ，これまでの事故実態が隠蔽されていたことは，たとえリンナイの小型湯沸かし器事故で需要家が換気扇を回さずに使用しており，「我々の想像を超えた使われ方をしていた」とリンナイ首脳が深夜に記者会見を開いて弁解しても何ら説得力を持たないものだ。 企業や監督官庁ガ事故実態の公表という自ら果たすべき役割を十分に果たさなければ，市民や一般消費者はどうして自分の身を守ることができるのか。 まして，北海道北見市での導管折損によるガス中毒手政では，土中に漏れたガスが下水管を伝わって遠方の民家に流入し，それを通報を受けたガス会社の保安係が見逃していたというのだから話にならない。 こうした実態を踏まえ，今回のガス安全小委員会では様々な取り組み，改善へ向けての提言を行ったが，「ガスは限りなく危ないもの」という今回の一連の事故で需要家に植え付けられた大きな不信感は，一朝一夕に取り除くことはできないだろう。 ある大手新聞社系の週刊誌など「ガス中毒死事故はもっとある」と大きくタイトルを打って，これまで各地で報告されている事故は氷山の一角かもしれない，と更に需要家に注意を呼びかける始末なのだ。