3月CP506ドルの背景と今後に影響与えるナフサ急騰

摘要

サウジアラムコは2月28日，我が国の輸入関係各社に対して3月のL PガスCPを「プロパン·ブタンともに506ドル」とする旨，通知してきた。 前月に比べるとともに20ドルの下げ。 発表前の週の前半あたりまで「CPは495ドル前後」との見方が広がっていたが，その後の原油市況や極東CF Rの上昇が影響したようで下げ幅が縮小，500ドル割れはならなかった。 2月の国際LPガス市況は暖冬の影響で本来ならばもっと大幅な下落となるところだったが，長引いた米国北東部·中西部の寒波と米国の石油製品在庫の急速な減少を受けてWTl市況が急騰。 サウジアラムコのCP発表に合わせるかのように年初以来の60ドル／バ一レル台となった。 これにツレ高してL Pガス市況が上昇したことが響いたのだ。 CPが506ドルへと下げた一方で北海とソナトラックの価格は上昇，価格格差が2月に比べて縮小した。 この結果，西から東へのアービトラージのウインドウは閉じられた。 しかし，米国のプロパン在庫は急減しており，季節柄天然ガス市況も下押ししてきている。 他方，極東のナフサは620ドル／トンへと急騰しており，ブタンが大幅安となった。 極東の石化はブタン手当てへと動き始めた。原油は62ドルへと上げている。 波瀾含みの春を迎えている。