公取委が石油連盟·元売にクレームETBEガソリンで独禁法判断示す

摘要

公正取引委員会が石油元売各社や石油連盟に対して，バイオガソリン販売に関して「独占禁止法に抵触するおそれがある」との公式見解を発表した。公取委は7月3日，昨年12月から今年3月にかけて関連事業者や関係省庁に対するヒアリングを中心に行ってきたガソリンにおけるバイオマス由来燃料の利用の実態調査結果及びその後の継続調査を踏まえて「ガソリンにおけるバイオマス由来燃料の利用について」と題する文書をとりまとめて公表した。これは環境問題からその普及が求められているガソリンにおけるバイオ燃料利用を，バイオエタノールの「直接混合方式」とするれ「ETBE方式」とするかを巡る問題。環境省·大阪府などは「直接混合方式」を勧めているのに対して，石油連盟·石油元売各社·経済産業省は「ETBE方式」を進めている。公取委はこの二つの方式が市場における競争を通じて評価·選択されるための環境が整備され，イコールフッティングが確保されなければならないという。しかしながら，現状では石油連盟が直接混合方式を否定する見解を繰り返し流布し，元売各社も系列ガソリンスタンド（SS）を通じてETBE方式のガソリンだけを販売し，かつ直接混合方式向けのガソリン供給に消極的姿勢をとっているのでは，両方式の評価·選択の環境が整っているとはいい難いとして，石油連盟·石油元売に対応の改善を求めたほか，環境省·経済産業省に「連携協力して必要な情報提供を行うこと」を求めた。