3ガス体にみる多種多様な料金問題大きい都市ガス家庭用の現在

摘要

地方の経済産業局では年に1～2回，管内部市ガス，簡易ガス，LPガスの熱量等価による家庭用ガス料金の比較を実施し公表している。 経済局の中で地域ごとに3ガス体の料金が現在どういう水準か，熱量等価で計井した数字をわかりやすく示し広く消費者に理解してもらおうという試みだ。 これは都市ガス改革を審議する中央の都市熱エネルギー部会の場で，消費者代表委員から「ガスは電力と違って事業者やガスの性質によって熱量や料金が様々で，自分のガス料金がどういう水準なのか一般消費者にはわかりにくい。 ひと目で料金がわかるよう熱量等価による数字を発表してもらえないだろうか」と要望が出されたのを受けて始められたもので，工事負担金の問題などガスによってそれぞれ事情は異なるものの，単純にガス料金の水準が理解でき消費者にはありがたい限りだ。 年間の推移を追っていけば，地域の事業者の経営努力もある程度理解できる。このガス料金の問題はしかし，家庭用での3ガス体比較に止まらず，同じガス体の各ガス会社間，更には業務用や工業用まで幅を広げてみるとその格差には唖然とさせられる。 地域特性やガスの消費規模等経営環境に大きな差があるとはいえ，都市ガスなど1m~3当たり家庭用と大口供給では最大5～6倍はどの遠いがあるのだ（最も安い大口供給料金と地方都市ガスで単価が高い家庭用ガス料金を比べた場合だが）。この都市ガス料金については家庭用は公益事業ということで各ガス会社にそれぞれ供給区域が設定され，その中で各々決められてきたということで，自己完結的に決められている感じがしないでもない。 その結果，全国の家庭用だけの比較で最大3倍近い料金格差が生じてもいる。 何かの事情で高いガス料金の供給区域内で生活を余儀なくされている需要家など毎月の支払いはたまったものではないと思われるが，供給する側の論理だけで価格やサービスが決定されている現在の都市ガス料金の仕組みは早晩根本から改革されなければならないだろう。