表面電位減衰測定による樹脂膜の劣化検出法の開発

摘要

塗装表面が紫外線や熱などで劣化してしまうと美観や保護などの本来の目的を損ねる可能性があるため，劣化状態を数値化して管理することは重要である。一方，筆者らは非接触で塗膜の硬化状態や膜厚を測定する装置の開発を行ってきた。これは，塗膜の表面抵抗や体積抵抗を測定しているため，塗膜が劣化することによって抵抗が変化するならば，その劣化状態を検出することも可能と考えられる。すでに，シリコーンゴム材料に対しては，表面が劣化している状態を表面抵抗の低下により検出できることが分かっている。本研究では，表面に薄い樹脂膜がコーティングされている鋼板に対して，樹脂膜の厚み方向の抵抗変化で劣化の状態が検出できるかについて実験的に検討した。