CVD法で調製したCo-Mo複合硫化物触媒の活性サイトの局所構造解析

摘要

水素化脱硫触媒の活性相であるCo-Mo-S相の選択的な形成が可能なCVD法を用いて担持硫化Co-Mo触媒を調製し，Co K吸収端XAFSおよび磁化率測定からCo-Mo-S相の構造解析を行った。 磁化率測定の結果，CVD法によってCoを添加した触媒ではCoが反強磁性的な相互作用をしていることが見いだされ，解析の結果，Co 2原子がダイマーを形成していることが示唆された。 Co K吸収端XANESから，CVD法によって調製したCo-Mo触媒ではCo-Mo-S相以外のCo種の生成が抑制されていることが確認できた。 Co K吸収端EXAFSの解析より得られた構造パラメータと磁化率測定の結果から，Co-Mo-S構造においてCoがMoS_2のエッジサイトにS原子で架橋されたダイマーの状態で存在しているモデルが提案される。