担持触媒を用いたカーボンナノチューブの成長と生成機構

摘要

単層カーボンナノチューブ（single-wall carbon nanotube：SWNT）は，1枚のグラフェンシートを丸めた構造を有し，直径は約1～3nm，長さはマイクロスケールの一次元性のナノカーボン材料である．SWNTは，1993年にアーク放電法によって初めて合成されて以来，その直径とグラフェンシートの巻き方（カイラリティ）に強く依存した電子·光物牲を有することから大きな注目を集めてきた．例えば，あるカイラリティのSWNTは金属的な電子構造を有し，別のカイラリティでは有限のバンドギャップをもつ半導体的な電子構造を有する．半導体的なSWNTは，ナノチューブ特有の蛍光を近赤外領域に示し，吸収波長と発光波長の相関はカイラリティに強く依存する．