作製再現性を阻害する原色塗料の特定方法

摘要

CCM（Computerized Color Matching）は、赤、青、黄などの各原色塗料（以下、原色と言う）の吸収係数K、散乱係数Sを予め測定しておき、どの原色をどのような比率（以下、配合とも言う）で混合すれば、色見本の表色値に一致するかを決めるシミュレーション技術である。 CCMシステムでの補正調色は色見本の測色情をターゲットとして色差を漸近させる方法なので、測色方法および調色サンプルの作製に問題が無ければ測色値から計算される色差は必ず漸減するはずである。 しかしながら、作製再現性（同じ配合で調色サンプルを作製したときの分光反射率が一致する度合い）が良くない場合、色差は漸減しないため何回も作製を繰り返すこととなる。 このような場合、CCMシステムを導入しても調色作業の合理化が進まず、CCMを断念する場合も多々ある。従来のCCMシステムは作製再現性が表示されないので、作製再現性を把握しながら調色する方法がなかった。