水溶性塗料·塗装システム最新情報：工業用水性塗料の現況と課題

摘要

最近の環境配慮塗料への期待の高まりは、改正大気汚染防止法（VOC規制）によるところが多い。 規制の施行スケジュールは表－1のように予測される。 VOC低減のための環境配慮塗料としては、水性塗料の他にハイソリッド塗料、無溶剤塗料、そして粉体塗料などが挙げられる（表－2）が、それぞれに一長一短があり、現在も溶剤系塗料が主流を占めているのが現状である（図－1）。 このうちハイソリッド塗料は比較的溶剤量が多いため、環境配慮型塗料の本命は水性および粉体塗料といえる。 工業塗装ラインヘの水性塗料（除く電着）の適用例としては、ドラム容器や鋼製家具および車両の下回り等に、比較的古くから使用されている。 最近の水性塗料は自動車工場での採用が先行しているが、これは高外観を得るために、空調等の設備や塗装管理にかかる負担が大きいことと、水性塗料が粉体塗料やハイソリッド塗料にくらべて、高意匠性のメタリック塗装に適用しやすいことが要因であると考えられる。