アルカリフェノール炭酸ガス硬化性樹脂：砂再生特性が優れ主型用途への適用が可能

摘要

鋳造業界ではガス硬化造型法として、無機系の水ガラスー炭酸ガス硬化法、有機系ではフェノールウレタン樹脂ーアミンガス硬化法、アルカリフェノール樹脂－蟻酸エステルガス硬化法がその特性、特に速硬化性を活かして広く使用されている。水ガラスでは崩壊性が、有機系では硬化剤に用いるガスの臭気·有毒性が課題であるため、用途·目的に応じて使い分けられている。アルカリフェノール樹脂の炭酸ガス硬化法は、有機の炭酸ガス硬化法であり、その簡便さと水ガラス法に比べ崩壊性が良く、従来の有機ガス硬化法に比べ炭酸ガスを使用するので安全性に優れ、環境汚染の不安が少ない工法であるため、従来のガス硬化法に換えて使用が進められてきている。 そこで今回、安全性に優れ速硬化性の特長を有するアルカリフェノール炭酸ガス硬化法の適用範囲を、従来の中子用途からさらに主型用途へ拡大すべく研究開発に取り雑み、新しい有機炭酸ガス硬化プロセスを開発することができた。