ユーザの利用特性を考慮した電子メールシステムの設計·管理手法の検討

摘要

各組織の電子メールシステムでは，管理面において様々な問題が発生している．例えば，Spamメールの増加によって，メールサーバではサービス品質(QoS)が低下し，ユーザに対しては日常業務に悪影響を与える．また，内部統制整備のため，電子メールポリシーを用いた管理を行っている．しかしながら，ユーザ個々に利用の特性が異なるため，誤った利用や故意的なポリシー違反が発生する．このような問題に対応するため，ユーザの利用特性を考慮したメールシステムの設計を行い，システムの状況やユーザの利用特性に応じた柔軟な管理を行う必要がある．本稿では，ポリシーベース管理手法によりメールシステムを管理するシステムを提案する．さらに，提案システムをマルチエージェントシステムとして捉えたエージェントベースモデリングを行い，提案システムがユーザの利用特性を考慮したメールシステムの管理に有効であることを評価する．