低SNR（Signal-to-Noise Ratio）目標探知のため，閾値処理前のビデオ信号に対するスキャン間積分処理によって目標信号を強調し，検出に至る方法を検討する．この処理には，スキャン間の目標移動を考慮した積分路の探索方法が必要であり，その従来技術としてはTBD（Track Before Detect）が知られている．しかし，TBDをスキャン間積分に適用するには，誤警報の発生と演算負荷の大きさが課題となる．本稿では，これらの課題に対する解決策として，セルの状態推定と，その結果を用いた適応的積分路探索範囲設定方法を導入する．また，シミュレーションにより，検出性能を向上しつつ演算負荷を低減することが可能となることを示す．
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