自然スプライン補間のためのコンパクト差分とエルミート補間による表現法とその応用

摘要

近年，計測データや音響信号，そして画像信号など，ほとhどのデータがディジタル信号として記録されている．ディジタルデータは非常に扱いやすく利便性の高い記録方式であるが，時系列データのリサンプリング処理や画像の拡大·回転·移動などの幾何変換などにおいては，データとデータの間の値を補間技術によって求める必要がある．現在，区分的補間法の主要な方法の1つとしてスプライン補間が使用されている．スプライン補間を用いる場合，一般には対角行列を解く必要があるが，線形補間などに比べ高精度な補間が可能であるため，精度の高い補間が必要な場合には使用されることが多い．本研究ではスプライン補間をエルミート補間の枠組みで微分演算と組み合わせることによって表現する方法を検討する．本稿では，基礎的な検討として，3次自然スプライン補間をエルミート補間と4次精度コンパクト差分を用いることによって3次自然スプラインを表現する方法を検討している．