多成分同時／高速レーザ誘起蛍光法による乱流燃焼計測

摘要

平面レーザ誘起蛍光法（PLIF）は火炎構造を捉えるために有効であることが広く知られており，これまでにOH，CHラジカル及びそれらの同時計測や，ホルムアルデヒドなどの中間生成物，アセトンやトルエンなどの添加物を計測対象として火炎構造や燃焼特性が検討されてきた．これらの化学種のうちいくつかを同時に計測する多成分のPLIF計測は，計測装置の開発と計測技術の進歩により段階的に発展してきている．多成分PLIFは火炎構造が複雑となる燃焼器内の瞬間的な火炎構造の理解に有効であると共に，火炎のダイナミクスの検討にも利用可能である．本稿では，著者らがこれまでに乱流噴流予混合火炎やスワール燃焼器に形成される予混合火炎を対象として実施した，高速PLIF計測による伝播速度の評価，多成分多平面PLIF計測による火炎面曲率の検討および多成分PLIFによる火炎構造の検討について紹介する．また併せて近年の動向及び今後の研究展開について議論を行う．