風力発電施設から発生する騒音等に関する最近の国の取組について

摘要

日本では2014年に閣議決定された政府のエネルギー基本計画において，再生可能エネルギーは重要な低炭素の国産エネルギーと位置づけられ，積極的に導入を促進していくこきが記載されている。再生可能エネルギーの一つに風力発電がある。風で羽（翼）を回転させることにより発電する風力発電のうち，特に陸上のものは，世界の再生可能エネルギーの導入をリードしており，発電量等の増加の1/3以上は風力発電によるとされる。2015年の世界のこれまでの風力発電の導入実績は，432GWに達するが，日本での導入量はその1%程度にとどまっている。しかし，エネルギー基本計画でも，風力発電は，大規模に開発できれば発電コストは火力並みで経済性も確保できる可能性のあるエネルギー源と位置づけられており，日本の風力発電の累積導入量は政府による長期エネルギー需給見通しでは2030年度に1，000万kWに達する見込みとされ，2015年末の導入量（304万kW）から3倍以上と，今後大きく増加していくと予想される。