可聴域を超えた周波数帯域での音響標準

摘要

研究開発の現場で空中超音波の性状を把握しなければならない場合，空中超音波は知覚できないので計測以外の方法で知ることは困難である。空中超音波を正確に計測するには定量的な基準（物差し）となる音響標準が必要不可欠である。本稿では，3章で説明する自由音場での相互校正法による．計測用マイクロホンの自由音場感度校正の原理と，この原理に基づいて筆者らが開発した20kHzから100kHzまでを対象とした校正システムを紹介した上で，空中超音波域での音響標準の必要性に言及する。また空中超音波を計測する際に留意すべき点を，使用する音響計測機器の観点から述べる。