東電福島第一原発の今：巨大負担を続けられるのか

摘要

東日本大震災で事故を起こした東京電力の福島第一原子力発電所を今年5月24日に取材した。この原発について，危機的な状況にあるとの印象が社会に広がったままだ。ところが現地は「危機対応」という修羅場から，計画を立ててそれを実行する「平常作業」の場に移りつつある。現場は片付けられ，平日は5，000人が粛々と安全に働く巨大な工事現場となっていた。ただし過剰ともいえる安全策を追求した徹底した工事が必要なのか疑問を抱いた。工事を適切に行うために，労力と資金の面でのコスト最小化に配慮をしなければならないだろう。