排熱発電装置の開発（作動媒体および膨張タービンの検討）

摘要

地球温暖化防止を目的とする「京都議定書」が，2005年2月には正式に発効となり，温室効果ガス排出量削減は緊急の課題となっている．このような中，本開発では，未利用エネルギーの活用推進のため，80～90°Cの排温水を駆動源とする発電装置の開発を行った．比較的温度の低い排熱発電装置に関しては，ねじ形膨張機や膨張タービンを用いたものなどがあるが，寸法が大きく，複雑な構造のため，一般に普及するには至っていない．本開発では，マイクロガスタービンやターボ冷凍機で利用されている高速回転，機電一体化，高効率化などの技術を利用して，膨張タービン·発電機のコンパクト化，簡易化，高効率化を図っている．本報告では，各種作動媒体によるサイクル特性解析と作動肢体の選定，サイクル構成機器の中でもっとも重要な役割を果たす膨張タービンの設計，さらに発電装置の実機試験で得られた発電装置特性などについて報告している．